二番花の咲かせ方

【初級】

 2番花を咲かせたいので、咲いている花を早く切ったほうがいいという説があります。理屈的にはその通りなのですが、咲いてる花を切らなくても切っても結果はほぼ変わりません。できるだけ咲いている間は株につけておいてあげることをお勧めしています。

花が終わったらまず確認すること

花芽の先端が成長を続けていないか?
→先端が伸びて蕾が出てきた場合は、切らずにそのまま咲かせてあげてください。
(蕾の状態で切り花にしようとするとると花が咲く可能性は低くなります)

他の節目から花芽が出てきてないか?
→動きのある成長点は、そのまま見守ってあげてください。成長すると蕾を付けて花を咲かせる可能性があります。

成長点が無いことを確認後、脇芽・花芽の成長を促す※この方法は、花が終わってから時間が経過している株にも有効です

枯れていない節目が残っている場合

 節から脇芽を出すために、終わった花に一番近い節目の上をハサミで切ります。(年中いつの時期に切ってもOK) 出来る限り枯れてない節は多く残して切ってください。茎が途中まで枯れてきている場合、枯れた所だけを切ってあげて下さい。
花芽には成長点が先端と各節の中にあります。生きている花芽は切らずにおけば、どこかの成長点から花芽がでて、2番花が咲きます。 花芽は切らずにそのままつけておいても問題ありません。そのまま残しても、株自身が出したい所から花芽を出して、不要なところは自ら枯らします。

 残りの節の数だけチャンスがあります!!
生きている節は無駄に切りすぎない様にできる限り上で切ってください。切る場所に迷ったら切らなくても問題ありません。 二番花が終わったら、その下の節を残す様に切って、また次もその下の節で⋯と続けて咲かせられます。 花が咲いていた所に近い節から、新しい花芽が出る確率が1番高いです。

枯れていない節目が残っていない場合

 株元から花芽を出すことに挑戦します。(節目から花芽を出すより難易度が高いです。) 枯れて茶色くなった茎は、株元から2cmぐらいのところで切ってください。

花芽を出すポイントは2つあります。

1、花芽が出る箇所があるか
葉を上から数えて3枚目より下からしか花芽は出ません。
また、重なった葉と葉の間から花芽が出ますが、1箇所につき1度しか花芽が出ません。
そのため、花芽を出す前段階に、春から秋にかけて新しい葉を出す必要があります。新しい葉が一枚出れば、新しい花芽1本出る可能性がうまれます。 花芽が出るまでに新しく出てくる葉っぱは1~2枚ですが、葉っぱが多く花芽の出る可能性が残っている箇所があれば新しい葉が出てこなくても問題ありません。

2、一気に花芽反応させる
高温度(夏)→低温度(秋冬)に一気に温度が下がる環境に置き、低温反応させる必要があります。反応しやすくするためには、だいたい5月から10月の終日、室外の風通しの良い日陰に置くことをお勧めしています。
手をかざして、指の影がはっきり見えたら光が強すぎます。直射日光に10分あたるだけで葉焼けしますので注意してください。
低温反応させるために、夜温20℃を2週間位経験させたあと、最低気温15℃を経験させます。15℃以下になりそうな日があったら室内に戻してください。 10℃くらいまでは耐えられますが冷えすぎる事もあるので、早めに室内にいれてください。
室内に戻す段階で花芽が出ていなくても株は反応していますので、無理に寒さに当てすぎない様に注意してください。

新しい花芽が株元から出るタイミング(チャンス)は夏→冬の年に一回です。
その時同時に2本以上の花芽が出る可能性もあります。 花芽が出るのは、早くて10月の終わり、遅くとも2月くらい迄です。(1番出やすいのは11~1月です)
この期間で花芽が出てこないと、その年は新しい花芽が出ない可能性が高いので、また次の夏に挑戦しましょう。

液肥などを与えると花芽が出にくくなるので、水のみがお勧めです。
花芽が出た後は、蕾が見えてきたら水多めにしてください。
蕾は敏感なので、触ったり、揺らしたりしないよう気をつけてください

その後の花が咲くタイミングは、節から花芽が出始めた場合は2ヶ月後くらい、株元から花芽が出た場合は、3ヶ月後くらいです。
発蕾(ハツライ:蕾が見えはじめた時)から約1ヶ月後に開花します。
冬場は、気温が低い部屋では成長が遅くなりプラス1か月ほどかかる場合もあります。 蕾が一輪開くのに温度にもよりますが、5~7日ぐらいかかります。 まずは開花すれば成功です!
1枝に5輪ほどつけば大成功です!!

【中級】

花を大きく咲かせるために

一番花より、二番花が小さくなる原因は、環境(生産者ハウスかおうち)の違いか、植物の樹勢が関係します。 株を元気にさせると花の大きさなどが大きくなりますが、具体的には水の量を増やしたら大きくなる可能性が1番高いです。 肥料をあげる場合は、光・温度・株の熟度などのバランスが必要です。 逆に肥料だけやると、栄養成長しすぎて花芽が出にくくなったり花が咲きにくくなることが多いので、水だけの管理がおすすめです。

花芽を2本出すために

花芽は、葉を上から数えて3枚目の下より下で、かつ過去に花芽が出てない所からしか出ません。 暖かい時期に2枚以上葉を出し、夏→冬になる時の温度落差が大きく、少し明るめの環境があると出やすくなります。 花芽を出す前から肥料はやらないほうがより出やすくなります。 春→夏は肥料をあげて沢山葉を出させ、8月くらいから水のみにすると11月位から花芽が見えます。

つぼみを沢山つけたり、花を大きくするために

①たくさんお水あげる。初蕾(ハツライ:花芽から蕾が発生してくる瞬間)以降は、特に多くしてください。
②涼しいところに置く。
③少し明るめのところに置く。

花芽の長さ(高さ)を出すために

水の量を増やすと伸びます。 水の量が少なすぎると、細胞一つ一つが小さくなり短くなります。

たくさんの葉を出すために

温度が高い時期が長ければ長いほど、多くの葉が出ます。 あとは、2、3月に花が咲いていても、暖かくなる少し前に、花を切る事で、葉の展開が早くなり、葉の枚数が増えやすくなります。 おうちでは、年に2-3枚出れば上出来だと思います。
※葉の成長よりも、お花を長く楽しむ方をおすすめしています。

根っこをたくさん出すために

株の樹勢を上げる事が1番です。
水を少なくしたら、根が出るという説もありますが、株の樹勢が弱い状態で水を切ると株が弱ります。樹勢を上げながら、根を増やすには緩急が必要です。週に1回たっぷり水をあげて、乾かしすぎないことが大事です。

新葉っぱと新根っこのどちらが成長で優先か?

ほとんどの人は根と言うと思いますが、おうち胡蝶蘭では新葉が需要とお伝えしています!
葉に合わせて、根は必要な分だけ成長します。必要以上に根があっても、負担になって自分で枯らすと思いますので、新葉の方が重要ということです。

【上級】

花数を増やすために

・温度を昼25℃、夜18℃の一定で保つ
・光を1.5~2万ルクスにする。(強すぎると葉焼けしてしまう)
・肥料を窒素(N)50ppm位に与える。

たくさんの葉を出すために

高温室(栄養成長のタイミングを作る)は昼間32℃、夜間27℃以上にすると年間で7-8枚位葉が出ます。
基本的には、2ヶ月に1枚と言われてます。 低温室は、一旦成長が止まるので半年で1-2枚です。

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